もしも裸で泳げたら

モノクローム・ロマンス文庫

 

あらすじ

図書館で働くシャイなミッキーは、過去にオンラインで話していた相手とスキニーディッピング(裸で泳ぐこと)に行く約束をしていた。だが結局怖じ気づいて、行けなかったことを後悔している。裸で泳ぐというたわいないことでも、残ってしまうと呪いのようになってしまう。意を決したミッキーは気になっているカフェのマスターを誘おうとするのだが……。

【感想】

16歳のときの苦い思い出を引きずっているミッキーの気持ちに共感。自分にもう少し勇気があれば、とか、自信があれば、あの時もっといい行動ができたのかも・・・・・・どうして、できなかったのか。そういう後悔って恋愛に限らず誰にでもあると思うけど、ミッキーはそのときの気持ちをずっと引きずっていて、どんだけ引きずるんや(笑)と思ったけど、過去を断ち切れないそういう繊細なところがミッキーの良さでもあるんだよなぁ・・・・

ミッキーの職業はロマンス小説家だし、恋愛がらみの事柄なら尚更忘れられないよね。

そんなミッキーが次に恋した相手がカフェのオーナーのローナンなんだけど、ローナンは格好良くてセクシーで凄い陽キャ(笑)

ミッキーは陰キャなのでキャラが正反対すぎてどうなるのかハラハラしました(笑)

もちろんハピエンだけど。

過去の思い出と今が交錯するお話で、そこが凄く爽やかで良かった。

↓好きな文章。

 僕らは水にとびこんだ。冷たさも気にならない。僕は怖がりの自分を、誰の期待にも応えられないと思っていた自分を、取り返して癒したのだ。ローナンもまた癒したのかもしれない。好きだった人々から見捨てられた少年の自分を。

 泳ぎ回り、キスをして、はしゃいで、水をかけあった。裸で、何からも自由に。

 それは僕の望んでいたものすべて、そしてそれ以上だった。

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