天使の爪痕 高岡ミズミ

BL小説

あらすじ

瀬ノ尾聡明と桐嶋東吾との出会いは高校時代。ヤクザの息子ということで荒れていた聡明は、自分を特別視しない東吾を意識するようになる。実質一緒にいたのは数カ月だったが、東吾への想いが恋だと自覚した聡明。その想いを秘め、今は東吾とはたまに会う程度で優しい恋人もいる。しかし、東吾への想いは薄れず、さらに強くなっていき…!?

【感想】

長い片思いの話。(両片思い)の話。瀬ノ尾のために瀬ノ尾の気持ちには気づかない振りをし続けて友達として傍に居続けようとしてくれた桐島がとても優しい。

ふたりが高校生だったときのエピソードが好き。周りの環境に押しつぶされそうだった瀬ノ尾から見たときの桐嶋の強さに惹かれるのわかる。

桐嶋のように強くなれたら・・・・・って思いながらも30歳になっていて・・・・瀬ノ尾が40歳になっても愚痴を聞いてくれる桐嶋、優しい。

このお話は「友達」でいる時間がとても長いのだけどそこがいいのよ。

本当に長い片思いで・・・・瀬ノ尾が背負った物はどうするのか結末をハラハラしながら読みました。

そして・・・・ラストはそういう落ちか!こういう書き方もできるのね✨

それを知ってから表紙を見るとあれは逃避行に行くところなのね?💕

感動💕また読み返すと思います。大好きなお話です。

↓好きな文章。

疲れているのだろう、熟睡する桐嶋はぴくりとも動かない。精悍な顔立ちを視線でなぞっているうち、どうしようもなく触れたくなる。

風になびく前髪に、指先で触れてみた。それから、額。

寝入っている桐嶋に、ついふらふらと瀬ノ尾は身を屈め、そっと唇を重ねていた。

ほんの一瞬。

体温さえわからなかった。

誰も見ていないのに頬が熱くなり、そんな自分が厭で切なくなる。

たぶん、桐嶋に恋をしているのだ。

誰よりも桐島が好きだと自覚した瞬間だった。

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