神さまを待っている 畑野智美

一般文芸

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

神さまを待っている (文春文庫) [ 畑野 智美 ]
価格:836円(税込、送料無料) (2025/1/26時点)

楽天で購入

誰にも「助けて」と言えない。
圧倒的リアリティで描かれる貧困女子の現実。

文房具メーカーで派遣社員として働く26歳の水越愛。
会社の業績悪化で派遣切りに遭い、失業保険を受けながら求職活動をするが
どこにも採用されない。アパートの更新料や家賃、住民税、そして食費…
あっという間にホームレスになった愛は、漫画喫茶に寝泊まりしながら
日雇いの仕事を始め、前の生活に戻ることを目指していたが、次第に
価値観、自己認識が揺らぎ始める。
同じ境遇の女性たち、「出会い喫茶」に来る客との交流。
生きるために「ワリキリ=売春」をやるべきなのか。
ここまで追いこまれたのは、自己責任なのだろうか。

大学に進学し、勉強や就活に励み、まじめに勤めていた女性が
またたくまに貧困に呑み込まれていき、抜け出せなくなる。
著者自らの体験をもとに描いた「貧困女子」長篇小説。
  
 解説は 俳優・佐久間由衣 

【感想】

大学を卒業して真面目に働いていても派遣切りであっという間にホームレスまで転落していくのが恐ろしかった。ギリギリの貯金でネットカフェ難民になり、そうすると一日に必要な経費が上がるから働いても貯金できなくて貧困から抜け出せない。

主人公は出会い系喫茶に行ってワリキリの相手を探すところまで追い詰められるけれど・・・・・中盤までは貧困から脱出できるのかとハラハラしながら読めました。

でも後半は、主人公の努力で貧困を脱した、というよりボランティア活動が好きな男友達の力で貧困から脱出していくので、フィクションだから当たり前だけど、そんな都合よく友達が東京都内まで出向いて、音信不通になっている主人公を探してくれるなんてありえなくない?と一気に冷めてしまいました。彼女でもない女を休日返上で探し出して住む場所と新しい仕事を提供できる男の人・・・・・そんな出来過ぎな人間フィクションでも受け入れられなくて結末に納得がいかない。

この主人公は大卒なだけでも恵まれているから仕事を選んでないで、人手不足の介護職にいったん就職したりすれば自分で住むところも決められるし、社員になれるかもしれない工場の仕事ももう少し大切にしたらいいのに・・・・・・嫌い親にも頼ってお金を借りたら住むし(親は貧困層ではなさそうなので)と主人公より低学歴で貧困になっている友達がいる私からしたら主人公は大卒ってだけで仕事も選べるし贅沢だなぁ、と思ってしまいました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました