Twitterのタイムラインに流れてきて、そういえば積んだままだった。ていうか、実家から持ってきてたっけ?置いてきた気がして、本棚を引っ搔き回して探し出しました。
絶版本なので今から紹介する本の画像は貼れるものがありませんでした。
表紙が気になる方はアマゾンなどで探してみてください。
造花の解体
あらすじ
「壊れかけた体」を撮り続けている写真家・エスの前にナミという若い男が現れた。
生きているのに腐り始めた人間を知っているという。
エスはナミに導かれその人物を尋ねる。
そこで見たものは……。
表題作をはじめ、プロメテウスとの出会いを描いた「サンプリングハッシュ」、スペル・イー・エスシリーズや「サイクリングヤッホー」など珠玉のショートを収録。
【感想】
(咎狗の血が好きだったので)
でも最初のお話が精神的にも肉体的にも痛くて辛くて、何より文章全体から漂ってくる荒んでいて病んだような空気が、その時は怖くて読めなくてずっとそのままにしていました。
が、ツイッター始めたお陰で今更ですが読むことができました。
今回ちゃんと読んでみたら、面白かったです。多分わたしが10年の間に更けたのと、小説を読むのに慣れたから。この本を買ったときは絶対苦手な作風だと思っていたのが案外大丈夫で、辛くて痛い中にも心動かされるものがありました。
表題作の「造花の解体」はエスの住んでいる荒れた街がどれだけ狂った場所なのか解りやすくて世界観に入り込み易かったです。
「あんたになりてぇよ、あんたみてぇに!そしたら何もかも、今の俺たちには天国じゃねぇか!もうだめだよ、もう耐えられない。あんたみたいに――――俺も、腐ってくあの子に欲情してる・・・」
「身体売って稼いでた俺たちの、せめてもの境界線。セックスは飯の種、寝る相手は客。シーナンとは絶対に寝ないから、だからあの子は特別なんだ」
身体が腐っていく人間のお話。
動けない病弱な少年が愛でられるために機会に繋がれているお話
エスを壊そうとした男の話。
とかいろいろ、BLっぽくはないと思った。でもこの世界観の中の話として観たら、どれも合っていてすらすら読める。
でも読む人と読むタイミングを選びそう。
イラストが好きだから面陳して本棚に飾っときます✨
鋭利な刃物 西条公威
発行が古いから図書館で借りたのに、図書館の帰りに寄ったブックオフに落ちていた。意外とまだ買えるみたい。
鋭利な刃物
あらすじ
野放図でアナーキーな欲望が溢れかえる退廃とエロスの街。
そこで、売られている怪しげな情報誌『リーガル・ディザイア』に掲載されている―壊れたボディ、求む―という風変わりな一行広告。
その依頼主のスペル・イー・エスは壊れたものを撮りつづけているアンダーグラウンドのカメラマンだ。
ある日、テルと名乗る若い男にモデルを紹介するとエスが案内されたのは荒野に建つ粗末な小屋だった。
その中で彼を待っていたのは…。
「THE KISS」をはじめ、シリーズの短編を4話収録。
【感想】
痛い、辛い、重い話の四連発。どこを見ても特殊な人ばかり。
エスが常識的な人に見えてくる不思議。
死さえも分かつことのできなかった恋人同士は土に還るその時まで永遠のキスを繋ぎ続ける。
とか
切れた神経回路が迷走するのだ。本来痛みであるべきものが快楽のそれとして処理されてしまうのだ。麻痺。感覚の麻痺視覚の麻痺嗅覚の麻痺味覚の麻痺――――――痛覚はどこだ。
傷から指を突っ込んで肉をほじくり探し出せ。正常な、感覚。
そんなものがどこにあるのか。
などなど、次々といろんな奴らが出てきてお腹がいっぱいになりました。
そして読み終わった後の疲労感。こんな世界じゃ私は生きていけないよ。
みんな狂ってる。
【造花の解体】の方が読みやすかった。何故?
感想は以上です。
死体や切断が出てくるから、昔読んだこの本を思い出しました。
死体しか愛せなかった男―ジェフリー・ダーマー 単行本 – 1999/3/1
17人もの男性を自室に連れ込み、殺害。からわらに寄り添い、犯し、死体を切り刻み、頭蓋骨を抱いて寝た…より親密になるために。1991年アメリカ・ミルウォキーでひとりの青年が逮捕された。彼の名は、ジェフリー・ダーマー。端正な美青年の心の内は、その外見とは裏腹に完全に崩壊していた。
もう絶版みたいで中古本しかないので画像は貼れない。
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