パラスティック・ソウルendless destiny  木原音瀬

BL小説

 

 

あらすじ

銀耳に銀尻尾、美しい銀の髪を持つハイビルアのハルは、年下のジェフリーの一途な想いに応える形で夫婦となった。だが寄生体の交換期限である“フェードアウト”を迎え、ハルの精神はジェフリーの隣家に住む五歳の男児アーノルドに移された。黒髪に黒耳・黒尻尾と容れ物は変わっても、そばにいるのは彼の愛した魂。それなのにジェフリーの心はいつまでもハルだけを想っていて……? 大人気シリーズ新エピソード!!

最新作がディアプラスに掲載されるので再読しました。

【感想】

寄生体を乗り換えてジェフリーの傍にい続けるハル。けれど姿が変わっているのでジェフリーは「ハル」だと気づくことができない。精神はなにも変わっていないのに姿かたちが違うから愛されない。

フェードアウトしてしまったら、中身は違うのに抜け殻の方が愛されてしまう。

見た目が変わってしまったら、自分を自分だと証明できる証拠がない。

結局、ハルが自分の人格を認めてもらうには、まず見た目在りきなんだと見せつけられるのがつらい。人が人を好きになるのが心なら、見た目が変わってしまったハルでも愛してくれよ。

Oという種族はなんの為に生まれてきたのかが分かるお話が読みたい。

肉体を乗り換えていけば永遠の命が約束されているOという存在も他人を愛することを知ってしまったら時間の流れが違うので、愛する人を見送り続ける人生になってしまうのも切ない。

「この部屋で白い小さな粒を見つけたら、踏み潰してくれないか」

ジェフリーと一緒に消えることを望んだハルが生き延びてまた目を覚ましてしまったのはとても悲しい。でもハルが何故Oという種族が生まれたのか世界の謎を解いてくれたらいいなぁと思いました。

アーノルドとして生きていた時間は辛いことが多めの本編でしたが、書下ろしが甘いお話でホッとしました。アーノルドとしてジェフリーに愛されていた時間は幸せもあったのが見られて本当によかった。

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